2015年2月11日水曜日

プロテストの声がけ

ルール普及担当理事の軽部です。
先日、JSAF主催のルール講習会を受講してきました。

講師の方からこぼれ話で聞いたのですが、今後、抗議の意思を示すかけ声は「プロテスト」に統一されるようです。これまでは日本で行われるレースでは、日本語で「抗議」でも通っていました。
これから日本でも国際大会が多く開催されるようになってきます。テーザーも蒲郡ワールドを控えています。海外のセーラーが日本のレースに参加するという機会も増えてくるかもしれません。そうした状況を見越しての変更なのだと思います。
この件については正式な決定がされたら、何らかの公示があると思いますが、今のうちから習慣にしておいた方が良さそうです。

ところでそもそも皆さんはレース中にちゃんとプロテストの声を発しているでしょうか
海上で発生したインシデントの場合、審問するための要件としてこの声がけは必須です。
その言葉は「プロテスト」または「抗議」でなければなりません。
「避けたよ~」とか「おい!」とか言ってもダメです。審問が開かれない可能性が大です。

相手が自主的にペナルティ履行するのを期待したというのはありがちですが、残念ながら期待通りになる可能性は低いでしょう。
逆の立場からすると、プロテストと言われなかったため、避けさせた(=抗議されている)と思わなかった、というのはよくあることです。
そのまま走っていく相手艇を見ながら「なんで回ってくれないの?」などと思っても仕方ありません。自分が抗議しなかったからです。

それでも自分の順位に影響がなかったというケースならまだ良いかもしれません。
場合によっては、自艇が失格となるリスクもあります。
例えば3艇以上がオーバーラップしていて、自艇が航路権を持つ相手艇Aと、自艇が避けれければならない相手艇Bと、それぞれ接触した場合、Aに対してプロテストしておかなければ、Bとのインシデントで免罪されない(=自艇だけが失格となる)ケースもあるようです。(実際には色々な要素が関係してくるので一概には言えません)

ルール講習会ではよく言われるのですが、実際に抗議書を出すか(=審問に臨む)はレースが終わってから考えても良いのです。
着艇するまでの間に状況を良く考え直して、事実がどうなっていて、違反がどちらにあったか、整理してから判断しても間に合うでしょう。
しかしプロテストの声がけは最初の妥当な機会でなければなりません。自艇が航路権をもち、正しく帆走していたと思う場合は、躊躇なくプロテストの声をかけましょう。
そして出来ればその時の証言艇やマークや障害物との位置関係も目に焼き付けておきましょう。熱くなって相手艇のことばかり睨んでいてはダメです。冷静に、周りの状況をインプットすること。審問の時には時間の流れに沿って位置関係の変化などを説明できるかで、主張の説得力が違ってきます。

テーザークラスのレースはあまり抗議が出されない、と時々言われます。
審問がないこと自体は私は特に悪いことだとは思いませんが、レース中のインシデントが馴れ合いでうやむやになってしまうのはよろしくありません。
ヨットレースのルールは「守り守らせる」ことが肝要です。自分が守ってるだけではなく、相手にも強要しなければなりません。アウトローな振る舞いをする艇に出くわしたら、遠慮なく抗議しましょう。
そしてこれは何も大きい大会だけの話ではありません。普段の練習レースでも同じです。と言うか、普段からルールを主張する習慣を身につけておかないと、なかなか本番で上手くいかないと思います。フリートやクラブの練習レースでもぜひ正しく権利を主張し合いましょう。もしお互いの見解が異なるならば陸に上がってから話し合ってみましょう。第三者からの意見を聞いてみるのも良いかもしれません。

いつもレースでトップを走っていれば、抗議に巻き込まれることはないかもしれませんが、ほとんどの人が残念ながらそうはいきません。いざという時に不利益を受けないために、普段から合理的な主張をする習慣を身につけておきましょう


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