2011年10月10日月曜日

ワールド練習会の総括

昨年は関東、関西のそれぞれで2回の練習会が行われました。今年に入ってからは、真冬の1月にルール講習会と合わせて、2月にはミッドウィンターレガッタと合わせて行われ、
また、震災の影響でスタートが遅れましたが、6月からはセーリングレベルアップとしてシリーズで3回の練習会を行いました。イベント担当理事の久礼さんによるマネジメントと、各フリートによる内容の企画、運営ボートや機材等の手配などの準備により、これだけの練習会をこなすことができました。

これだけの回数をフリート横断で行ったのは初めてだと思います。各フリートにおいては、フリートレースはメンバーが集まるよい機会になっていると思いますが、協会の活動でも同じで、集まってテーザーに乗る、これが基本だと思います。そういう意味で練習会はレガッタを補うイベントとしてよい機会になったのではないでしょうか。特に後半は、ワールドエントリーの山村・池田組、下村・河野組、渡辺・関口組、稲毛の軽部夫妻組など、元気なチームが毎回参加し、シリーズで開催した甲斐がありました。
練習会のメニューや運営については、試行錯誤のところもありましたので、時間を有効に使えたか、コンディションの変化への対応、集まったセーラーのレベル、ニーズにマッチしたものだったか、ミーティングの進め方、内容など、まだまだ改善の余地はあると思います。しかし、今回得られたノウハウもありますので、今後に活かしていければと思います。

 セーリングレベルアップは3回のシリーズでセーリング練習を中心に行いました。いずれも風に恵まれ、練習後に固定メンバーによる十分な話し合いができたことから、各チームの走らせ方を理解し、その上でメインセールのトリムの方法、ジブセールのセッティングなどについて共通のポイントを見出すことができました。普段の練習では、ここまでじっくり話すことはしてこなかったこともあり、各艇それぞれのやり方というところで終わっていたところを、掘り下げることができたのは、この試みの大きな成果であったと思います。参加メンバーが、自艇の走らせ方を率直に言いあった結果です。

 今後の課題を一つ上げておきたいと思います。今回のシリーズ、ミーティングでは、クルーの方々にもコメントを求めました。しかし、クルーワークでの掘り下げには至らなかったと思います。また、レース中のコース取り、ダウンウィンドの走らせ方など、学ぶべき点、レベルアップすべき点はまだまだあります。今回のワールドで日本チームは多くのことを吸収するでしょうし、今後はコーチ陣の充実も図って、これらの課題をテーマにした練習会を開催できたらいいなと思っています。

稲毛F 田中郁也

2011年10月3日月曜日

オータムレガッタ速報

10月2日、江ノ島でオータムレガッタが開催されました。
江ノ島フリートより、電子媒体のリザルトが到着次第掲載しますが、速報します。

1位 軽部夫妻(稲毛)
2位 石塚・白岩(浜名湖)
3位 石川・石黒(大阪北港)
4位 野嶋・関口(葉山)
5位 田中・片山(稲毛)
6位 池田・秋吉(大阪北港)
7位 野口・杉田(江ノ島)
8位 田口・井上(葉山)
9位 久礼・永尾(葉山)
10位 小松・中村(葉山)
11位 山下親子(葉山)
12位 村尾・津田(江ノ島)
13位 伊浪・山本(葉山)
14位 宮下・野本(葉山)
15位 高橋・千波(江ノ島)

RRS 18.3 マークに近づく場合のタッキング

 3年前のルール改正で、聞きなれない「フェッチング」や「ゾーン」という言葉が登場したこの規則。規則の内容自体に変更は無かったものの、その意図をより明確に改正したものです。日本テーザー協会練習会で開催したルール講習会でも、題材として取り入れられらえたように、「重要な規則の一つ」に位置づけられています。

 艇Aが、スターボードタックのクローズドホールドで上マークにアプローチしています。すでに、A艇はラムラインに乗っており、そのままマークに達するコトが出来る状況です。この状況を、「A艇はマークをフェッチングしている」と表現します。
 艇Bが、ポートタックのクローズドホールドで艇Aに近づいています。艇Bの方が先行していますが、艇Aの前を横切るだけのリードはありません。
 艇Bは、艇Aの風下前方でタックして、スターボードタックとなりました。いわゆる、「リーバウタック」を行いました。
 結果、艇Aと艇Bは、共にスターボードタックのクローズドホールドでオーバーラップしながら、マークに近づいています。が、艇Aはそのままマークをかわせそうですが、艇Bはクローズドホールドよりも一瞬ラフィングしないと、マークをかわせそうにありません。両艇は接近しているため、艇Bがラフィングするためには、艇Aもラフィングしなければ接触してしまいます。
 艇Bはクロードホールドよりラッフィングして、艇Aをもクローズドホールドよりラフィングさせてマークを回るコトが出来るのでしょうか?
 できる場合と、出来ない場合があります。それは、「艇Bがタックを完了した位置」に依存します。「ゾーンの外(デフォルトではマークから三艇身)でタックが完了したか否か」に依存します。
 ゾーンの外でタック完了した場合。「艇Aは艇Bにマークルームを与えなければならない」ので、艇Bは、艇Aにクローズドホールドよりラフィングさせて、マークを回航するコトが出来ます。艇Bがマークを回るためにラフィングしたら、艇Aはそれに応じてラフィングしなければなりません。
 ゾーンの中でタック完了した場合、「艇Aをクローズドホールドより風上に帆走させることはできない」ので、マークを回航することは出来ないことになります。
これは、非常にポピュラーな例で、
http://ventoorientale.cocolog-nifty.com/blog/2011/09/post-5099.html
にも、図入りで解説されています。
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 先日のオータムレガッタにおいて、上記そのもののケースを目撃しました。私の目には、「タック完了は明らかにゾーン内」であって、マークを回航するために風上艇に「明らかにクローズドホールドよりも風上」に帆走させました。
 しかし、件の風下艇はペナルティターン無しにフィニッシュしました。
 風下艇が「ゾーンの外でタックを完了した。」と判断なさっているなら、風下艇には何の問題もありません。反則はなかったと認識しているのですから、そのまま走り続けてアタリマエです。風上艇が抗議して、審問が開かれたときに、そう主張すればよいことです。スポーツンシップに則った行為です。多分、今回はこのケースだったのだろうと思います。ゾーン内かどうかは、海面に線がひいているわけではないので、判断は微妙です。レース委員会か他艇の証言でも得られない場合、審問でもなかなか判断が難しいところです。
 風下艇が「このルールを知らなかった」ならば、レース中の行為としては「反則の認識が無かった」のですから、これまた風下艇としては正しい行為です。しかし、フィニッシュ後、または陸に上がって、あるいは帰宅して、「自分は反則した」ことに気付いたならば、「リタイヤ」することが求められます。RRSの冒頭に「スポーツマンシップと規則」として、RRSの大前提としてそう記されています。
蛇足ですが、リタイヤのスコアリングコメントは「RAF」。リタイヤド・アフター・フィニッシュ。フィニッシュ後にリタイヤしたことを示します。途中でレースをやめたケースは、単なる「DNF」ドンドフィニッシュです。
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「違反か違反でないか」、両艇で判断が分かれた場合、陸に上がってから、まず声をかけて、「なぜ違反と思ったのか」「なぜ違反ではないと思ったのか」を確認しましょう。
 その結果、「違反であった」場合と納得しなたならばリタイヤ。「違反ではなかった」と納得したならば、そのまま。意見が分かれた場合には、抗議書を提出して、判断をジュリーに委ねましょう。
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 今回のケースでは、風上艇は「規則違反があった」と認識していたものの、抗議書の提出はありませんでした。
 「面倒」な気持ちがあることは理解しますが、例えばワールドに参加して「いきなり審問になる」という経験をする方が、意外に多くいらっしゃいます。海外では、違反があったと認識した場合は、抗議書を提出するのが一般的です。
 「日本艇は、審問がヘタだ」という状況が生まれているようです。日ごろ出ている国内のレガッタでの、審問経験が無いのですからアタリマエです。初体験が「英語での審問」であれば、なおのことです。
 ぜひ練習の意味も含めて、「違反があった」場合には抗議書を提出して、審問を実施していただきたいと思います。その結果は、可能であればジュリーに審問の内容と、判断の基準。そして、「このような主張があれば、判断は変わったかもしれない」という、キーポイントの解説頂くことで、他の参加者にも共有するコトが出来ます。
 日本テーザー協会では、「セーリングスキル」向上はもちろん、「規則を活用して有利にレースを展開する」「ルールを理解しフェアなレースをする」、そして「審問でも勝つ」よう、ルールを理解する機会を今後も作っていきたいと考えています。
田口 裕介













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