2010年10月12日火曜日

JTA第2回練習会 in 江の島 ミーティング概要


田中さんからいただいた原稿を代理投稿します。
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 江の島の練習会では、変化の大きな北風の中でセーリング練習におけるポジションの合わせ方の確認およびスタート練習、コース練習を行いました。また、ミーティングではお互いの船のセッティングやセールコントロールについて話し合いました。レースの際には、このような話をまとまってするのは難しく、大変良い機会であったと思います。ミーティングで話題となった事項と参加者のコメントは以下のとおりです。また、ミーティングに参加できなかったセーラーからも助言をいただきました。

○ジブラフの全体長
  マックスの4160mmにセットしている。マストがより立つとクローズでバウがささる感じ/ブローで前に進みにくい印象がある。レーキが低くなる分フリーでは不利を感じる。(佐藤)
  和歌山ワールドではマックス近くにセットしていたが、フリーでのスピードアップを目的に中央値の4140mm近くにセットし、リグのセットを緩めにしている。(田中)
  プーケットワールド以来4150mm近くにセット。以前4130mmくらいを試していたが、マイラーセールのバランスでは、クルーウェイトがあっても少し後傾した方がよい。(小松)
  数値は忘れたが、アフターレーキさせるためなるべく長めにセットしていたはず。(軽部)

○リグのセッティング
  軽風から強風までのオールマイティなセッティングを目指している。現在のセットは、陸上で一番後ろまで引ききった状態で、LOOSのばね式テンションゲージでフォアステーが「13」くらい。マストが逆ベンドした状態で測ることになるなるが、数値としては一応の目安になると思っている。ただし、気温によって値は変わる。(佐藤)
  すべての風を一つのセッティングで対応する方法と、強風で半ピン詰める方法がある。(田中)
  テンションは割りと高い方がクローズでは有利だが、それではフリーで全く勝てなくなるので、サイドステイのマックスをある程度の強風でもなんとかクローズを走れるくらいにしている。強風で半ピン詰めるかはクルーの技量による。(小松)

○クローズでのリグのテンションと調整
  下側のリグが多少緩むくらいにセットするようにしている。(佐藤)
  一番後ろまで引ききっている。(山村)
  北米のセーラーもしっかりメインを引いた時に下側のリグが緩むくらいが良いといっている。下側が緩むとは、メインを絞り込んだ時に少し緩みがあり、ラルでシートを多少緩めたときに緩みがなくなる程度だと思っている。(田中)
  ハイクアウトできる風域では、両方とも一番後ろまで引ききっている。加えて、メインテンションを入れて、トリムはトラベラーを使用する。それ以下では、サイドステイについては真ん中か少し緩めるか、長いパフや全体的に風が弱くなった時などで変えている。全く引かないことはない。(小松)
  風速4mぐらいからサイドを引き始め、風速が上がるにつれて段階的に引き込んでいく。ジブラフのテンションを見ながらサギングを抑えるようにしている。(軽部)

○カニンガムの使い方
  セールの深さを調整するため、比較的軽い風から入れ始め、強い風ではかなりひいている。(田中)
  強風などで引くことがある程度。(小松)

○バングの使い方
  パワーのコントロールにかなり使っている。(佐藤)
  クルー(の体重)によってバングの使い方が異なる。(山本)
  リーチの柔らかさを残すため、ダクロンのときよりも引く量は減っている。トラベラートリムを併用している。(田中)
  クローズでは、強いガストなどを逃がすために強く引き、ガストが抜ければ緩める(弛みをとる程度)。フリーでは、基本的にはブームが水面と平行くらいにバングで制限している。ツイストさせて走る方が好みであれば、緩める選択もあり、走らせ方は好みによる。(小松)

○アウトホールの調整
  クローズで一番緩めた状態で、こぶし1つ(ブームとセールの間)が入る程度(佐藤)
  同上。リーチングで必要な長さでカットし、それ以上出すことはない。デッドランでは出していない。(小松)

○ルーズなジブラフでのフリーの走らせ方
  独特の走らせ方があるように思う。ある程度ジブを引き目にすること、(ジブをつぶさないように)バウの向きを調整することを試している。(田中)
  ブローを見て、ブローが入る時に引く。ラフがつぶれる手前を維持する。見かけの風の問題なので、ヘルムスが少しベアすることによってカバーする。(小松)

○ランニングのバランス
  アンヒール気味にして走らせている。ジブがはらむ風であれば、アンヒールさせることで小さな波にあわせて抵抗なくベアすることができる。弱い風ではクルーがコクピット内で立つような姿勢になることがある。(田中)
  フラットを基本として、強弱で前後の乗艇位置が変わる。かなりの微風では、接水面積を減らすことが重要。テーマが若干異なることだが、ウィスカーが張り難いコンディションでは、もう片方のジブシートもテンションをかけて張るとよい。(小松)

○(上りでの)センターボードの入れ具合と前後スィング
・強風ではデッキレベルまであげている(石塚、野嶋)
・軽風では全部入れている(佐藤、田中)
  微風ではウェザーを作るため多少前にふることがある。(田中)
  基本的に入れた方がよい。(小松)

○スタートのポジショニング
・スタートラインに近い位置で待つと、加速のルームがない、下につきあげられるなどデメリットが大きい。遅くとも1分前にはポジションを確保するため、位置に着くようにしている。(佐藤)

○練習会の内容
・船が多く集まる機会なので、スタート練習は有効。(久礼)
・セーリング練習は3ハイか、2ハイが望ましい。(山村)
・海上でのグループ内の意思疎通をよくするため、出艇前のグループ内打ち合わせが重要(山村)
・セーリングの差が乗り手によるか、船によるか、セールのセットによるかを判別するため、乗り手の乗り換えが有効である(池田)
・練習会ではコンディションが限られるので、走り比べは普段の練習の機会が重要。(佐藤)
・走り比べの時間を多くとれるのであれば、グループメンバーを入れ替えて多くの艇と走る機会があると良いと思う。(軽部)

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