2013年4月18日木曜日

カーボンマストに関するデザイナーズレポート


デザイナーズレポートが届きました。内容はカーボンマストへの移行に関する件です。
カーボンマストへの導入に向けてデザイナーは開発を進めているようですが、今回のレポートの中で以下の2点についてセーラーの意見が問われています。


1.カーボンマストを現在のセールカーブに厳密にマッチさせるか否か
積層の工夫で、現在のセールのカーブに厳密にマッチすることはできるが、高額で、重く、複雑になる。それを望むか?


2.セールデザインを新しくすることを望むか否か? 
カーボンマストにすると軽量になり、一般には、マストを長くして、セールエリアを大きくする。そうしないと、軽量のクルーを選びがちになる。現在のセールに固執するか否か?
(補足すると、カーボンにすることでマストが軽くなり、その分ヒールしようとする力は弱くなる、という想定が背景にあります。セールに発生する揚力と、艇が傾いた時のマストの重さに応じてヒールしようとする力が発生します。このうちマストが軽くなる分をセールエリアを大きくすることで補正する、ということです。)

ちなみに、カーボンマストにすると、ダイアモンドは不要になり、新たなバテンシステムの採用により、ローテンションハンドル不要で自動的に回転するようになる、と報告されています。
2011年のワールドテーザーカウンシル(WTC)の会議では、既存のマイラーセールがフィットするマストであることがカーボンマストの条件として確認されていましたので、今回のレポートの内容は方向性の大きな変更になります。(2011年のWTC会議の報告はJTA通信の記事に掲載されています。→2011年11月14日の記事を参照

この問題についてみなさんはどのように考えますか?
JTAメジャラーとしては、日本のテーザーセーラーの意見を集約して、デザイナーやWTCへ伝えていきたいと思います。ぜひご意見をお寄せください。
JTAメジャラーへメール(measurer@tasarjapan.org)するか、またはよりオープンな場で意見を展開したい方は、本記事へのコメントかテーザーフォーラムへ投稿ください。お待ちしてます。

11 件のコメント:

  1. 費用をかけてカーボンマストにするのであるから、(ハイクアウトの辛さは同じままに)パフォーマンスアップするなら、セールも含めてリニューアルすべきと思います。

    しかし、アルミマストとカーボンマストが混在してレースすることも念頭に置く必要があります。現在のものの価格で、マスト+セールで341,225円になります。
    消耗品のセールの変更と異なり、耐久材のマストの買い替えは、ダクロン→マイラーの時より、移行は長期間に渡ってゆっくりと進むことでしょう。

    WTCAは、「アルミマストのテーザーを捨て去る」決定をしたのでしょうか?そうでないなら、セールデザインを変えることでイコライズするのか、パフォーマンス差を助長するのかはわかりませんが、とにかく「アルミマストとカーボンマストのパフォーマンスを同一に」できる方法を選ぶべきでしょう。

    個人的には「進化」してほしいので、アルミマストのテーザーは捨て去って、新しいテーザーにバージョンアップする方がいいなぁと思っています。

    よって、1の答えは「マッチさせない」、2は「新しくする」です。
    ただし、設計ターゲットクルーウェイトはくれぐれも変更の内容に、JTAにも監視をお願いしたいです。どさくさに紛れて、ターゲットクルーウェイトを増加しかねない危惧を持っています。

    ゆう

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  2. 現状アルミのマストをカーボンにしたところで何か良いことがあるのでしょうか?
    考えてもメリットが見えません。
    カーボンマストとアルミマストのパフォーマンスを同一にできたとして、なおさらメリットがないです。パフォーマンスが同じなのですから。
    ワンデザインレースを楽しみたいのなら現状のフリート規模を維持できない可能性のある大幅な改良はすべきではないと思います。テーザークラスはレーザーのようにリグ別で大きなフリートを維持できるクラスではないのです。

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  3. >現状アルミのマストをカーボンにしたところで何か良いことがあるのでしょうか?

    カーボンに移行しようとする理由は、製造や流通にかかるコストの問題が大きいようです。金属マストのコストは上がり、相対的にカーボンマストのコストは下がっている、というのがデザイナーの説明です。

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  4. アルミマストをカーボンにすると、「大幅な軽量化」が図れます。これにより運搬の楽さ、取り扱いの楽さといったメリットがあります。素材としての強さもメリットです。。

    また、リグサイズを大きくすることが可能となり、パフォーマンスアップを図ることができます。

    一方で、デメリットとしては、「買い替えの負担」「混在レースによる不公平」などにより、艇の大幅な減少すら上げることができます。(カーボンの方が安く作れる・・かは疑問。)

    ただし、テーザーは「進化するワンデザイン」です。
    「ビルダー供給物を基本」とした「厳格なワンデザイン」をベースにしつつ、建造方法や素材を変更してきたクラスです。

    マイラーセールの時も同様の心配がありました。しかし、今の印象はどうでしょう?「現代的なルックス」による、好意的な印象の方が大きいのではないでしょうか?

    、「耐久財なので、交換を迫られるケースはあまりない」「高価である」ので、デメリットが表面化する期間が、とても長いことは予想されます。

    記憶が正しければ、「カーボンマストへの変更」はWTCAで決定済みのはずです。その条件の中に「今のセールデザインを使えること」が含まれていたために、今回の問い合わせが発せられたと理解しています。その結果を持って、今年の8月に実施されるワールドで開催される、WTCAにて「今のセールデザインを維持するか」「カーボンマストに最適化されたデザインに変更するか」と決議するものと思われます。

    カーボンにするか否かは、議論済み決定事項ですので、「セールデザインを維持するかしないか」についての、議論が求められている時です。

    #世界に向けて事前に問い合わせるという手法はこれまでなかった方法で、テーザーの民主化の空気を感じます。デザイナーの代が変わり「俺のテーザー」から、少し脱却したのかもしれませんね。

    ゆう

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  5. パフォーマンスを上げてさらに進化したテーザーを作ってそれが魅力的な船ならフリートは大きくなるし、コストパフォーマンスに魅力が似合わなければ縮小するだろうし。
    リグの大幅な変更して、現状のリグとパフォーマンスは同じはずなので一緒にレースしましょうなんてのはつまらないです。マストも変わってさらにセイルまで変わってしまったらもう脱落します。

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  6. 「記憶が正しければ、「カーボンマストへの変更」はWTCAで決定済みのはずです。」って、ホント?

    基本的に、デザイナーの説明に矛盾を感じるよね。

    「金属マストのコストは上がり、相対的にカーボンマストのコストは下がっている、というのがデザイナーの説明です。」
    ---というのなら、
    「2011年のワールドテーザーカウンシル(WTC)の会議では、既存のマイラーセールがフィットするマストであることがカーボンマストの条件として確認されていました」
    ---というのは、ありえなかったわけで、
    「積層の工夫で、現在のセールのカーブに厳密にマッチすることはできるが、高額で、重く、複雑になる。それを望むか?」
    ---と今更言い出すのは、ヌケサク以外のなにものでもないだろー。

    マストが軽量化するのはとってもいいんだけど、セール変えない、2分割マスト変えない、コスト上げない、それが無理なら今のままでいいやって気がする。

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  7. 正確にいうと
    「WTCAで、カーボンマスト導入のためのトライアルを行うことが決定」された。
    この「トライアル」の意味はその場で確認され
    「最終的な移行を前提とした移行期間」
    とのこと。

    トライアル期間に、仕様の変更は少々あるかもねって意味だそうです。

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  8. 該WTCAのレポートは、このJTA通信の2011年11月14日月曜日に、詳細に記載されています。

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  9. なるほど。

    カーボン・ファイバーマストへの移行について
    ・Chris Parkinsonが、デザイナーのFrank Bethwaiteに代わって説明。すなわち、CFマストへの移行について、トライアイルを行うのに期が熟しているとの考えを持っており、移行に肯定的であるとのこと。

    ・それ以外の確認事項としては
    -2ピースのマストであること
    -ダイヤモンドはなくなる
    -性能はアルミ製よりも上がる
    -既存のマイラーセールに合うものであること
    -マストのローテーションが簡単になる
    -価格が既存のマストより安くなる

    と書いてありますね。
    そうすると、このデザイナーズレポート
    1.カーボンマストを現在のセールカーブに厳密にマッチさせるか否か?
    積層の工夫で、現在のセールのカーブに厳密にマッチすることはできるが、高額で、重く、複雑になる。それを望むか?

    「既存のマイラーセールに合うものであること」でなくなってしまう。
    「価格が既存のマストより安くなる」でなくなってしまう。

    つまり、CFマスト移行がうまくいかない可能性があることを示唆してるってこと?

    ところで、マストがCFになった場合、ブームはアルミのままなんでしょうか?

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    1. すみません、内容がKomatsuさんのものとかぶりました。

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  10. ちょっと個人的に思うところを書いておきます。

    現在のセールデザインに合わせようとするとマストは複雑で高額になるとありますが、複雑でないマストを作ってそれに合う新しいデザインのセールが開発されるとなると、次にマストを買い替える時はセールも同時に買い替えなければならなくなるのでしょうか。マスト&セールをセットで買い替えるよりは、多少マストの価格が高くなったとしても既存のセールをそのまま使えた方がトータルでは安いはずです。そういう意味では私は1.マストは現在のセールデザインに合わせ、2.セールもそのまま使えることを望みます。
    しかしそうなるとマストが軽くなる分、軽量チームに有利になるという議論になるのでしょうか。ターゲットとするクルーウェイトが変わってくる?

    デザイナーからの暗黙の提案の通り、マストとセールを大きくして現在のクルーウェイトに合わせたとして、その時のセーリングのパフォーマンスは現在のテーザーと同じになるかと言うと、それも疑問です。ターゲットウェイトは変わらないとしても、やはりセーリングのパフォーマンスは変わってくると思います。トータルでの重量は軽くなるし、パワーも増すだろうし、現在のテーザーより速く、パワフルになるのではと考えます。
    もちろんそれ自体はセーリングの楽しさにつながりますし望ましい進化です。やはり速い船の方が単純に楽しい。
    ただその時に、既存のマストとセールを使っている艇との性能差の問題があります。個人的には、テーザーはレースで競り合うことが楽しい、と思っているので、艇の性能差のないところで引き続き楽しみたいです。
    あとは財布に優しいクラスであってほしい。。。

    「進化するワンデザイン」というコンセプトに対する個々の判断が求められているように思います。

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