にて、クルーウェイトルールに関するアンケートをお願いしております。
JTAでは、これからクルーウェイト規則の今後について議論し、理事会に方向性・施策を諮問していただく委員会を、ご協力いただける会員の皆様で構成することを考えております。
それに先立って、皆様がどのようなご意見をお持ちなのか、現状を把握するためのものですので、ご協力頂きたくお願い申し上げます。 (全日本で配布したアンケートと同じ内容です)
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クルーウェイトルールとは
テーザークラス規則C6全体を指して、クルーウェイトルールと呼ばれています。
テーザークラス規則C6は、セールボートのクラス規則としては珍しい、「最低乗員体重」を定めています。"合計体重130キロに満たない場合は、不足分のバラストを積みなさい"というものです。
この規則は、テーザーのデザイナーであるフランクベスウェイトが規定したもので、テーザーの前身と言えるNS14クラスの経験を元に定められたものです。
NS14では、子供を乗せたチームや、小柄な女性を乗せたチームが、微風の中ですいすいと勝ちを得てしまい、他のチームはゲームを楽しむ余地が全くないケースがしばしば生まれ、それが故にNS14を去っていくチームも多かったそうです。
その経験を元に、テーザーを立ち上げる際「最低体重規則」を設置したそうです。”普通の男女ペアが、セーリングとレースを楽しめる”という、テーザーのコンセプトに基づいてのことなのでしょう。(TASARは、Two Adults Sailing And Racingの頭文字と言われています)この規則が、「テーザーの普及を促進する」(NS14のように普通のチームが離れていかない)ために必須であるとフランクベスウェイトは確信しており、そして古くからテーザーに関わっているオーストラリアンセーラーも同様に確信しています。
冒頭に書いたとおり、セールボートのクラス規則として、最低体重の規程は、稀な存在です。それゆえ米国や日本を中心に、「この規則は変なんじゃないの?」という意見が生まれ、世界テーザー評議会にも度々伝えられました。
昨年のワールド@和歌山にあわせて開催されたワールドテーザーカウンシルでは、「次のワールド@イギリスまで、C6をサスペンドする」ことが提案され、投票に回ることになりました。しかし、国際セーリング連盟(ISAF)より、「サスペンドというのは不適切な措置である。削除するか残すかどちらかに決めよ」という指示がなされ、サスペンド提案が投票に回る機会はなくなりました。
2人で130キロというオーストラリアンは特別軽いペアだが、日本人はありがちなペアである。という環境の違いも、日本での違和感を増加させています。仮に規定する最低体重が100キロとか90キロであったならば、日本でもその趣旨に理解が得られたのかもしれません。
日本では、この規則を不満に思い、テーザーから離れる方もいらっしゃったし、日本のレガッタでは、「C6を適用しない」で多くのレガッタを開催してきた経緯があります。
しかしながら、現状では「130キロに満たない場合はバラストを積む」のがテーザーです。国内でもテーザーのレガッタを開催するならば、規則に従うのが本来の姿でしょう。
一方で、不適切な規則ならば、改変すべきです。
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このJTA通信で9月にご紹介しましたが、ロンスタンCEOのアリステア・マーレーから、フランクベスウェイトへ「最低乗員体重規則はおかしいのではないか?」という意見がメールで送られ、両者でやり取りが行われています。
フランクは、「C6を無くすってなら、拒否権を発動する」なんて強い表現で、C6擁護する立場を、強く取っています。
理事会では、「オーストラリアンから、C6不要論がフランクにぶつけられた事は、画期的なことである」と考えており、C6を適切な規則へ変更するチャンスと捕らえています。
しかし、理事会では力不足です。そこで、有志の方で議論していただき、理事会がすなわちJTAが世界にどのようなメッセージを発信し、どのような活動をすべきか、一緒に考えていただく委員会を設置しようと考えているところです。
田口裕介
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