今回の変更点はC2.1(c)、C2.1(f)、C2.2(o)の3点です。
変更点の概要はJTAホームページに掲載していますので、こちらの記事を参照してください。
それぞれのクラスルールが提議されて時点から時間がたっていますので、分かる範囲で経緯を説明するとともに一部、情報の補足をしておきます。
C2.1(c)は2011年にイギリス・トーベイで行われたワールドの時に承認されたルールです。
その時のメジャラー会議で日本から提案し、WTC会議で承認されました。
当時のJTA通信に日本からの提案内容が以下のように記録されています。
d. クラスルールの改定提案以下の提案をしたC2.1(c)「G1.2により計測したジブ」とあるが、G1.2は存在しない。G1.1の単純ミスなので、修正を求む。計測でOKの出た2枚のジブをレガッタ中に自由に交換できることを明文化してほしいと提案した。いずれも承認され、WTC会議に提案することとなった。この提案が承認される前から、レガッタ中のジブセールの交換は、チーフメジャラーの見解により容認されていました。それをクラスルールとして明文化しようというのがJTAの提案の目的でした。
結果、JTAからの提案通りジブセールの交換は明記されました。しかし一方で「G1.2」という条項は存在しないという指摘は、なぜか無視されたようです。JTAからは改正の文案も提案していましたが、文案を精査された結果、「G1.2」の記述が残ってしまったようです。この会議の議事録に「The wording needed to be refined. This would be circulated to the WTC before being sent to ISAF for inclusion in the class rules.」と書かれています(WTCのWebサイトに2011年WTC会議の議事録があります:)
C2.1(f)とC2.2(o)は、2009年和歌山ワールドのWTC会議で提議されたルールです。
その時のエグゼグティブ・セクレタリのレポートに以下のように記録されています。
Class rules
There was a minor perturbation when Georg Tallberg, the chair of the ISAF Class Rules Sub-committee, advised us that our class rules do not allow owners of older boats to incorporate changes that are introduced on new boats, such as RCB shroud slides. We were also told that measurements are required to ensure RCB shroud slides are retrofitted correctly. Eventually, we were allowed to go our willful, wrong-headed way, but two rule changes are being proposed to ensure we are fully ISAF compliant in future.どうやらクラスルールについて、ISAFから提言があったようです。テーザーのクラスルールは、新艇には艤装品の変更があっても、既存艇にも同じように適用されることを認めていないとみなされたようです。それから当時新しい艤装品だったRCBシュラウドスライダーを艇に導入する時に、正しく装備されたことを証明できるように、計測方法を明確にすることも求められました。
そうしたことが発端となってWTC会議で提議され、各リージョンで投票にかけられることが決まりました。
日本では2010年の総会で投票を行いました。C2.2(o)については否決したようですが、他のリージョンの投票を集計した結果が賛成多数で承認となったようです。(2010年JTA総会の議事録はニュースレター92号に掲載されています)
ところでC2.2(o)にはRCBシステムを構成する部品と計測方法が書かれていますが、これらはこれまで解釈37と38に記載されていたのと同じ内容です。
C2.2(o)がクラスルールの本文として公開されたので、解釈37と38は「クラス規則C2.2(o)に組み込まれた」とでもしておくべきですが、なぜか解釈38は元のまま残っています。解釈37も意味のない一文だけが残されています。おそらく編集上のミスだろうと思います。そのうち修正されると思いますがご注意ください。
それからC2.2(o)にはRCBトラックの設置位置までの距離の計測方法が書かれていて、「…写真のようにデッキレベルで計測 した長さは…」とあります。しかし肝心の写真が抜けています。
以前の解釈37のところで掲載していた写真がそれだと思われますので、記録のためにここに掲載しておきます。
以上
JTAメジャラー 軽部竜也
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