スプリングレガッタご参加の皆様
ジュリー・運営スタッフの皆様
ご協力いただいた関係者の皆様
残念ながら参加できなかった皆様
おかげさまで無事2日間のレースを開催することもでき、微風予報で気を揉みましたが、なんとか軽風で天気にも恵まれた充実したレガッタとなりました。大変ありがとうございました。
レースの方は、初日3レース、2日目4レース実行することができ、予定より1レース少なくなりましたが、各レースともにトップ艇フィニッシュが概ね60分弱のレースとなるよう運営し、7レースを実施してきました。タイトなスケジュールに、日差しも強く、なかなかタフなレースになったかと思います。遠方の方は、特に車の運転も大変だったかもしれませんが、今回は"とことんレースをする"方針で頑張りましたので、ご容赦ください。
インプレッションとしては、トップグループがなかなか競ったレースとなる場面も多く、見ごたえのあるレースとなりました。反面、いずれのレースも軽風でほどほどの距離でしたが、1上時点で差が開く場面も見受けられました。また、1上でうまく早く到達できたけれども、フリーでトップグループに大きく詰められているケースも多かったように思います。実際に走っている方との印象も異なるかもしれませんが、この辺りは、フロックを許さないトップグループの実力と共に、練習や練習内容の差があるようにも思います。もっと上位を走ってもいい実力者のチームが振るわない結果に終わったり、ワールド参加などでスキルアップが見受けられるチームもありました。
率直にいいなとおもったのは、2866艇、2572艇が特に印象的でした。もちろん、上位のチームはいずれもいい内容でした。
スキルアップに関しては、もっと練習することと練習での認識を変えることが大事に思います。
例えば、自転車を初めて乗れるようになるには、何度も乗ってみて、偶然乗れたそのまぐれの1回の感覚の再現を目指すようにして、乗りこなしてしまうのが一般的だと思います。しかしながら、自転車を習得するのは幼少の頃であり、競技でもないので、それでよいのですが、セーリング競技において、そのように偶然を得るまで待って、ものごとを習得するのでは効率が悪すぎます。つまり、限られた時間で練習し、スキルアップするのには、ただ練習を繰り返すのではなく、そこに「プラン」が必要です。「プラン」を海上での練習で「実行」し、その結果を「評価」して、「改善」を図り、次の練習の「プラン」を作る、いわゆるPDCAサイクルのような管理の元での練習が必要です。
基本的に、セーリングそのものはできている方々ばかりなので、ここでいう「プラン」とは、例えば、テーザー特有のボトム形状を理解して、それをどう活かすかなどの考えに基づいて、具体的な走りの改善計画です。ですから、先ほどPDCAサイクルと説明しましたが、こうすればもっとよりよく走れるのではないかとの「仮説」がプランであり、それを「実験」して、「検証」し、「改善」すると言った方が実際に近いかもしれません。
大事なことは、仮説がうまく立証できなかった時、ダメであることがはっきりした事柄については、消去法を用いること、それと、悪かったことだけではなく、上手くいったことも反省することがキーポイントです。上手くいったことも反省しないと、他のことができた時に今まで上手くいっていたことが損なわれてしまうことがよくあります。上手くいったことで上手くいった原因の追究を放置してしまっているからです。また、ダメであることはダメであると一度切り捨てないと時間の無駄です。もう一度、引っ張りでしてきて、見直すことはあるかもしれませんが、消去していくこともステップアップです。やっていいことが分からない時は、逆にやってはいけないことを探すというのが大切です。ちなみに、逆にやってはいけないことを探すというのはレースにおけるコース選択にも言えることです。
パーティーの際にも、バウの跳ね具合を周りのボートと比べてみたらいかがでしょうかと言いましたが、テーザーのボトム形状は実に特徴的です。下から眺めていると気付くことがいっぱいあると思いますが、バウ側が実にシャープであり、スタン側がとてもフラット、そして、バウ側のタンクは大きく、とても浮力があり、スタン側はチャインもあります。
スキーは詳しくないですが、あんなシンプルなスキー板でも、その使い方や使い道があります。テーザーのボトム形状は、その役割が満載です。29er、49erに受け継がれるベスウェイトデザインの特徴ではないかと思います。あれこそがまさにフランク・ベスウェイトのLEGACYであり、テーザーの研究し甲斐のあるポイントだと思います。
トップチームのバウの上がり方、どこがどう接水しているかとか、ウェーキとか、いろんな写真をよく見比べてみても面白いと思います。いろいろと仮説が思いつくかもしれませんよ。
和歌山ワールド以降、すっかり停滞気味で進歩がないくせに偉そうなこと書きましたが、これらがダーウィン、プーケット、和歌山ワールドでやってきた全てでした。シーズン始めですし、参考になればと思い、書いてみました。ある意味、当たり前のことかもしれませんが、ご容赦ください。
続けてレース委員長なんかをやったもので、「そろそろ乗らないの?」なんて声掛けられることがありましたが、テーザーを辞めたわけではなく、同じようなモチベーションでできるパートナーがいなかったりして、なんとなく機会がないだけで、チャンスがあればゴージなんかも行く気はあったりします。ただ、日本テーザー協会でも葉山フリートでもDYCでも、3つのワールド出場を通じて、いろいろと勝手にやらせていただいたので、こういう機会に多少の恩返しのつもりもありました。最近は、近場のあちこちの海をぶらっと行って、水深測ったりして、それなりの海のスタイルを楽しんでいますし。
やっぱり葉山の海はいい海でした。レースには出ていませんが、目標達成感のあるレース運営をできて、正直、今回は選手で出るよりもとても満足しています。海上・陸上の両スタッフやジュリー、協力関係者の皆様のおかげです。本当に感謝しています。
最後に、実行委員長を次世代を担う若手メンバーに任せました。とても立派にやり遂げていただき、実行委員長とそのサポートをしたメンバーに感謝すると共に、今後においても期待したいと思いします。
また、葉山で楽しいレースができることを祈っています。
関西の方ももっとたくさん来てくださいね。
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